女子大生に嫉妬した日の話

あれは木曜日の夜。

 

フードのラストオーダーも終わり、ドリンクラストオーダーまで残り15分。顔が赤くなって楽しそうに帰っていく常連さんを見送って、SNS用の写真を撮りながら『今日は少し早く帰れるかなぁ』なんて考えてたところに、その子はきた。

 

なんでもオーナー出身のお店でバイトしている子なんだとか。

わざわざ差し入れにお菓子まで。

オーナーと実習の話をしてるのを横耳に、『若そうだなぁ』と思ってたら21歳。

ニコニコしてるだけでは出せないマイナスイオンを感じるような癒しの雰囲気、ドリンクを持って行ったとき、こちらがハッとなるくらいに感じた目からの芯の強さ。人を惹きつける力のある子だと直感で思った。

 

オーナー出身のお店は、お酒好き界隈で人気のお店。そこでアルバイトしてるくらいだから、もちろんお酒好き。若さだけじゃなくて、人を惹きつけるような魅力のある子だから、たくさんの酒好きに教え込まれているのだろう。そしてそれを素直に楽しんでいる姿がとても眩しかった。

 

そして、某国立大の在学生でそこの大学のお酒系サークルに入っているときた。

お酒系サークルと聞くと、飲みサーでしょ?と思ってしまう方も多いと思う。私もその一人だった。

でもそれはとんだ誤解で、なんと自分たちでクラウドファンディング醸造まで行っているのだとか。

21歳の若さで生産者さんの思い、お酒造りの難しさと面白さを知っていて。酒場の雰囲気やそこにいる人達と話すことを楽しんでいる。何より私が学生の時は、知ろうともしていなかったお酒について、ぐいぐい吸収しながら勉強していることがとても素敵で羨ましかった。

 

ここで終わっていたら、きっとあえてブログにしようとは思わなかったと思う。

 

帰宅してすぐにSNSにお店をタグ付けしてくれていて、その子のSNSを知った。

 

そこにはゲストハウスの代表として、通常の運営から様々な企画の主催。そして一人旅で一期一会を体験し、その場で自分の感謝と感動を相手に伝えることの尊さを実感してから、サンクスカードを常に持ち歩く行動力。それらがフレッシュな言葉で綴られていた。

 

あまりにも衝撃的だった。

 

好きなことはあっても、それを行動に移したり、何かの形にして発信したり、追求することはとても難しいことだと思う。莫大なエネルギーも使う。

 

『仕事を頑張ったから』で帰宅後はゴロゴロな私、それでいいのか。

 

いつの間にかアンテナが折れている私、それでいいのか。

 

『"好き"と"ワクワク"に純粋であれ、行動せよ。』そう頭の中から響いた素敵で刺激的な日だった。